2013年09月22日

四天王寺古書市 2013 秋は10月11日から

正式名称「第13回 四天王寺秋の大古本祭り」は、
10月11日(金)〜10月16日(水)
となっています。

第13回 四天王寺秋の大古本祭り


さて、いつか古本屋で買った本の紹介。
今回は、
「名作挿絵全集 第4巻 昭和戦前・少年少女篇」

名作挿絵全集 第4巻 昭和戦前・少年少女篇

1979年、平凡社から発行された全10巻のうちの一冊です。
A4サイズ 152ページ 堅い表紙で箱にも入って、2千円なら昭和54年としても安かったですかね。
私が買ったのは10年ぐらい前で千円でした。

タイトルの通り、昭和戦前期の少年少女向き小説や読み物、雑誌などの挿絵が沢山載せられています。

当ブログでも取り上げました、河目悌二や武井武雄、樺島勝一、中原淳一、細木原青起、高畠華宵などのほか総数40人480点、となっています。

今回はその中から、初山滋作品を。

「伐り倒された木」
吉田絃二郎作「伐り倒された木」『日本童話選集』大正15年刊 より

赤い蝋燭と人魚
小川未明作「赤い蝋燭と人魚」『未明童話集』昭和2年刊 より

戦前期を代表する童画家の一人、現在もファンが多いですね。
時代を超えたスタイリッシュ感、とでもいいますか。
修行の始まりは染色下絵や日本画であったそうです。
和洋混在した画風は年代を追って多様、見るほどに飽きない、という事になります。

そんな初山滋の展覧会もあるようですよ。

「ちひろと初山滋 - 永遠のコドモ - 」

ちひろ美術館(東京都練馬区)10月30日〜2014年1月31日
いわさきちひろさんの記念美術館ですね。
いわさきさんも初山氏に憧れ、影響を受けたのだそうです。


ではまた。

読書の秋

 

2013年09月03日

70年代日本SF(9)

さて、70年代日本SFの文庫本を掘り返してカバーイラストを見る。
今回は「平井和正」の巻です。

70年代の平井和正といえば「ウルフガイ」という事になります。
なりませんか。


狼の紋章(エンブレム)

ウルフガイ<1>
狼の紋章(エンブレム)
ハヤカワ文庫SF 1971年11月30日(日付は文庫初版発行時)


狼の怨歌

ウルフガイ<2>
狼の怨歌
ハヤカワ文庫SF 1972年1月31日


狼男だよ

ウルフガイ<別巻1>
狼男だよ
ハヤカワ文庫SF 1972年7月31日


狼(ウルフ)よ、故郷を見よ

ウルフガイ<別巻2>
狼(ウルフ)よ、故郷を見よ
ハヤカワ文庫SF 1973年3月20日


リオの狼男

ウルフガイ<別巻3>
リオの狼男
ハヤカワ文庫SF 1973年9月30日


人狼地獄篇

ウルフガイ<別巻4>
人狼地獄篇
ハヤカワ文庫SF 1974年3月31日

カバーイラストはすべて生頼範義。

ハヤカワ文庫SFにはカラー口絵が有ります。

「狼の紋章(エンブレム)」より

生頼イラスト、巨乳エロす。「狼の紋章(エンブレム)」より

最初の2巻は主人公犬神明が少年、別巻4巻は成人犬神明で、アダルトウルフガイシリーズと呼ばれています。
ハヤカワ文庫でのシリーズは以上6冊、以降は祥伝社、徳間書店などから続編が出ますが、それは読んでいません。

角川文庫からの第一作は「サイボーグ・ブルース」1974年9月
ですが、これは家にありませんでした。
あったのは2冊目

虎は暗闇より

虎は暗闇より
角川文庫 1974年9月10日

以降3冊ほど読んでいるようです。
カバーはやはり生頼範義氏でした。


「おたく」という言葉がまだ使われていなかった70年代前半ですが、「ウルフガイ」シリーズはいわゆるおたく的な、コアでマニアックなファンをたくさん生み出した小説と言えるかもしれません。
この作者の独特な「あとがき」からもそんなファン達の姿を見て取る事が出来ます。


超革命的中学生集団

超革命的中学生集団
ハヤカワ文庫SF 1974年6月20日
カバーイラスト 永井豪

この作品なんかも70年代SFファンのおたく心を刺激する一作だった、と言えるかもしれませんね。


関連記事:
70年代日本SF(小松左京の巻)
70年代日本SF(星新一の巻)
70年代日本SF(筒井康隆の巻)
70年代日本SF(光瀬龍の巻)
70年代日本SF(眉村卓の巻)
70年代日本SF(半村良の巻)
70年代日本SF(かんべむさしの巻)
70年代日本SF(広瀬正の巻)
 

2013年04月15日

「四天王寺古書市 2013 春」は4月26日から

しりとりブログはお休みして、本日はお知らせ。
正式名称「第11回 四天王寺春の大古本祭り」は、

4月26日(金)〜5月1日(水)

となっています。

第11回 四天王寺春の大古本祭り


さて、
「このつぎ買おう、と思っていたら売れていた」
というのはお買物あるあるですけど、これは古本屋でもいえる事ですね。
私にとってそれは山田風太郎の忍法帖シリーズです。

1980年代頃の街の古本屋さんの文庫本の棚には、どこでも必ず風太郎の忍法帖がズラリとならんでいました。
角川文庫の、佐伯俊男画伯のカバーがおどろおどろしいアレですよ。

甲賀忍法帖

山田作品は、明治物とか現代物のミステリーや奇想小説などは読んでいましたが、なぜか忍法帖には手を出していませんでした。
読みたくなったらいつでも読める、と思っていたのですね。

ところが、気がつけば古本屋の棚から忍法帖は姿を消していました。

伊賀忍法帖

売れてしまったんです。
そして新しい本は出ない。
文庫は簡単に絶版になってしまいます。

結局私は、風太郎の忍法帖をほとんど読んでいません。
聞くところによると、めっぽう面白い物語や、荒唐無稽でエロティックな忍法の数々も、知らずに今日に至っております。

思えばあの頃、佐伯カバーの忍法帖をごっそり買い揃えておけばよかった。
と思った時にはもう遅い、という事です。

くノ一忍法帖

古書市にお出かけの方は、けして後悔をなさいませんように、気になった本は買っておきましょうね。

御予算の許す限りで。

 

2013年03月20日

70年代日本SF(8)

さて、70年代日本SFの文庫本を掘り返してカバーイラストを見る。
今回は「広瀬正」の巻です。


マイナス・ゼロ

マイナス・ゼロ
集英社文庫 1982年2月25日(日付は文庫初版発行時)


ツィス

ツィス
集英社文庫 1982年3月25日


エロス もう一つの過去

エロス もう一つの過去
集英社文庫 1982年4月25日


鏡の国のアリス

鏡の国のアリス
集英社文庫 1982年5月25日


T型フォード殺人事件

T型フォード殺人事件
集英社文庫 1982年6月25日


タイムマシンのつくり方

タイムマシンのつくり方
集英社文庫 1982年7月25日


作家デビューが1961年、亡くなったのが1972年です。
単行本は1970年から73年の間に6冊出版されました。
その6冊が集英社から文庫化されたのが1982年です。

カバーは和田誠さんのシンプルなイラストとお馴染みの手描きタイトル。


当時の私はSF小説好き、戦前風俗も好き、ということで、待望の広瀬作品文庫化で毎月一冊の刊行を心待ちにしていたものでしたね。

昭和前半期を主なテーマとしている当ブログとしても、いずれ紹介しないわけにはいかない作家なのですが、例によって小説の内容については語りませんよ。
実際細かいところは憶えていませんし。
私的には再び読み返すために忘れたままにしている、というところです。

これから読んでみようと言う人には、SFとか昭和ヒトケタとかに係わりなく良く出来た面白い小説で、どれを読んでもハズレなしですよ。

一度絶版になったようですが2008年に復刊されたそうです。
広瀬作品は人気がありますからね。
本屋さんに無くてもネットで新しい本が買えるようですよ。

マイナス・ゼロ 広瀬正・小説全集・1 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)
マイナス・ゼロ 広瀬正・小説全集・1 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)



ところで当ブログは現在しりとりブログ展開中、前回の記事の一部から今回の記事につなげているわけですが、前回は「宝塚」ということで、広瀬作品に何か宝塚が出てこないかなとパラパラ見ていたらこんな場面が。
長編「エロス」の中で主人公の一人片桐慎一が入院中に聞いた看護婦たちの会話。

看護婦たちは、いま人気の、二人の男役スター、松竹少女歌劇のターキーと宝塚の葦原邦子の、どっちがすてきかということを論じ合っていた。容貌そのほか、いろいろな意見が出たが、結局一人が本で読んだ、ターキーの月収が千円で、葦原邦子の月収が七、八百円というのが決め手となり、ターキーに軍配が上がった。慎一はそのたわいもない話がおもしろくてたまらなかった。

思いがけずターキーや葦原さんの月収が発覚しました。
この場面は昭和11年で、調べてみると大卒銀行員の給料が60円だったそうです。

というわけで、しりとりブログ継続中。

広瀬正 広瀬正(1924 - 1972)

広瀬正氏の人と作品については、こちらのサイトのこちらのページなどが詳しいです。
→[望夢楼]/[本の森へ……]/[広瀬正について]

 
関連記事:
70年代日本SF(小松左京の巻)
70年代日本SF(星新一の巻)
70年代日本SF(筒井康隆の巻)
70年代日本SF(光瀬龍の巻)
70年代日本SF(眉村卓の巻)
70年代日本SF(半村良の巻)
70年代日本SF(かんべむさしの巻)
70年代日本SF(平井和正の巻)
 

2013年01月27日

更新遅延のお知らせとか

当ブログは昭和前半期のあれこれを眺めたり、ときどきイラストレーションを描いたり、というまあ趣味のブログな訳ですが、そんな趣味のブログを続けるには充分な余暇が必要ですね。

実は現在の私には色々な事情でその充分な余暇を作る事が出来なくなっております。
とはいえ単純な家庭の事情で、深刻な問題ではないので御心配なく。

という事で、今後もしばらく更新遅延する予定、というお知らせでした。

ちなみに今年は年賀状も出せませんでした。
知人の諸君にはこの場でお詫びを。
一つ前の記事、元日の「賀正2013」が年賀状代わりと思ってね。
特に不幸とかあったわけではないのでご安心下さい。

本日の画像

カルピス(1927)

「カルピス 1927年」(クリックで拡大)

 

2013年01月01日

賀正2013

あけましておめでとうござります。

年賀2013

今年はいろいろな事情で更新が少なくなると思いますが、私自身は元気なので御心配なく。

という事でまた一年がんばりましょう。
 

2012年12月29日

良いお年を。

歳末 1931年

さて、本年最後の更新となります。

写真は昭和六年の歳末、銀座四丁目の交差点です。
正面は三越の角になりますね。
人それぞれ、思い思いに忙しい年の暮れなのでしょう。
今も昔も変わりませんね。

恒例の略暦をお歳暮代わりに置いておきますよ。

平成25年度略暦クリックで拡大

ではまた来年。
 

2012年11月16日

70年代日本SF(7)

さて、70年代日本SFの文庫本を掘り返してカバーイラストを見る。
今回は「かんべむさし」の巻です。

デビューが1975年、初めての文庫が翌76年ですが、たくさん本が出たのは80年代に入ってからかもしれません。
それでも私の中では70年代SFの括りに入っていますよ。


決戦・日本シリーズ
決戦・日本シリーズ
ハヤカワJA文庫 1976年6月10日(日付は文庫初版発行時)

これが最初の文庫。
カバーは楢喜八氏。
SFマガジン掲載時の挿絵も確か楢氏だったはず。


サイコロ特攻隊
サイコロ特攻隊 
ハヤカワJA文庫 1977年7月15日

処女長編で星雲賞受賞。


かんちがい閉口坊
かんちがい閉口坊
文春文庫 1986年10月10日

文春文庫からの一冊目は86年。
決戦・日本シリーズから10年後の楢氏のカバー。
微妙にタッチが変わってますが、楢喜八得意の構図は同じです。


ポトラッチ戦史
ポトラッチ戦史
講談社文庫 1979年9月15日

講談社文庫の一冊目はギリギリ70年代。
カバーは佐々木侃司氏。
かんべむさしといえば、楢喜八か佐々木侃司というイメージですが、この作品のハードカバーが、かんべ&侃司コンビのスタートだそうです。
侃司先生はずっと関西在住で、サントリーに勤めながらいろんな仕事をしたり、大学の講師になったり。
2005年75歳で亡くなるまで現役で活躍されていました。


むさし日曜笑図鑑
むさし日曜笑図鑑
新潮文庫 1985年10月15日

新潮文庫の第一作はやっぱりエッセイ。
カバーは佐々木侃司氏。


さて、わたし的にはかんべさんは70年代の括りに入っていると申しましたが、実はこの世代(例えば横田順彌、鏡明、山田正紀とか)以降のSF作家をよく知りません。
2000年あたりからほとんど小説を読まなくなってしまった私には、その後の、そして現在の日本SF小説の状況もよく判っておりません。

なのでかんべさんは私の中では「永遠の若手」というイメージになります。
もう還暦過ぎた人に申し訳ないですけど。

なんにせよ、関西出身お笑い好きSF好き小説好きだった私には大変愛着を感じる小説家なのです。

かんべむさし 1977年頃
サイコロ特攻隊の裏表紙より


関連記事:
70年代日本SF(小松左京の巻)
70年代日本SF(星新一の巻)
70年代日本SF(筒井康隆の巻)
70年代日本SF(光瀬龍の巻)
70年代日本SF(眉村卓の巻)
70年代日本SF(半村良の巻)
70年代日本SF(広瀬正の巻)
70年代日本SF(平井和正の巻)
 

2012年10月23日

アイコンを作ってみる「TillyTilla」

あいかわらずMacの調子が悪いので、せめてデスクトップだけでも整理しようという事で、名称未設定フォルダとかね、よくわからんファイルとか、ちらかっているのをまとめたりしていました。
その時にアイコン付きフォルダを作ったので、そのご紹介。

ブログ用フォルダ

こんな感じのiPhoneアプリ風アイコンがものすごく簡単につくれますよ。

使ったソフトはこれ、フリーウェア

tillytilla
TillyTilla

Macな人は御存じかもしれません、私は初めて使いました。
ダウンロード先、使い方とか。
Prosper. Aquila. Shy. Zoo - TillyTilla 0.80a

私はVar.0.72を使いました。
四角いiPhoneアプリ風アイコンはこちらにあるカスタムフレームを導入する必要があります、使い方もわかりやすいです。
わかばマークのMacの備忘録 :  TillyTilla

これはMac用ですが、windowsにもいいソフトがきっとあると思います。

iPhone風アイコン

適当なフォルダにまとめて入れてそれをDockに置きまして表示形式をグリッドにする。
古いOSでもなんだか新しくなったような気がする。
気がするだけ、実はただのフォルダ。

という事で、今回当ブログ用に作ったアイコン三種を置いときますよ。

ブログ用フォルダ

Mac用
NCW_icon_folder_mac.zip
Windows用
NCW_icon_folder_win.zip

中身はMac用はicnsファイルとフォルダ、Win用はicoファイルとフォルダです。
Win用はXpで検証していますが、もしフォルダにアイコンが反映していなければ、すまんが自分でやってね。

よろしければお使い下さい。

こんなモノも作れます。

女優シリーズ

女優シリーズ
これは個人使用で、といっても使い道ないんですけど。
 

2012年10月07日

四天王寺古書市 2012 秋、に行って。

四天王寺2012/10/06

6日に行ってきました、少し曇り。
いつもの場所からいつもの写真をば、あれなんかいる。


メ〜探偵コショタン2

おお、コショタン!


メ〜探偵コショタン1

写真撮らせてもらいました。正式名「メ〜探偵コショタン」氏

大古本祭りは9日火曜日まで。
 

2012年09月24日

「四天王寺古書市 2012 秋」は10月4日から

前回に続いて四天王寺の話題。

中日の22日にちょっと行って来ました。
アサヒグラフのタイトルの写真と似た角度で撮影しようと試みたのですが、ちょうど西門の入り口の人の流れの中で、立ち止まる事が出来なくてどうもうまくいきませんでした。

四天王寺 昭和8年
1933年

四天王寺 平成24年
2012年


さて、お彼岸も終わりますと、10月。
好例の四天王寺古書市、正式には「第12回四天王寺秋の大古本祭り」は、
10月4日(木)〜9日(火)
となっているようです。

第12回四天王寺秋の大古本祭り

私は何の関係者でもないのですが、好例なので告知しておきましょう。
 

2012年09月06日

70年代日本SF(6)

さて、70年代日本SFの文庫本を掘り返してカバーイラストを見る。
今回は「半村 良」の巻です。

この人も読みましたです。


およね平吉時穴道行
およね平吉時穴道行(ときあなのみちゆき)
48年11月15日 ハヤカワ文庫JA 日付は文庫初版発行日

これが最初の文庫ですね、1973年。
半村さんは御三家などと比べると少し遅れて登場した印象ですが、デビューしたコンテストは1962年(昭和37年)、『SFマガジン』の第二回ハヤカワ・SFコンテストで、この時の入選組に小松左京や筒井康隆がいますから、まあ同期みたいな感じですね。
ところが半村さんは60年代にはほとんど執筆せずにバーテンダーやサラリーマンをしていた、という事です。
この本はそんな初期の短編を集めたもの。
コンテスト入選作の「収穫」という小説もはいっています。
カバーは楢喜八氏。
楢さんは結構SFのカバーも手掛けていますね。


産霊山秘録
産霊山秘録(むすびのやまひろく)
50年1月31日 ハヤカワ文庫JA

これも面白かった、伝奇SF、泉鏡花賞。
ハヤカワJAとしては3冊目、この前に出た「石の血脈」も面白かった。
こういう話大好きでしたから、このへんでハマってずっと読み続ける事になりましたね。
カバーは武部本一郎氏、この人はもう、コナンにターザンにバロウズに、SF画伯。
挿絵も入っています。


軍靴の響き
軍靴の響き
49年6月10日 角川文庫

角川文庫の一冊目
これはちょっと異質ですね。
このころはガッチリSFよりもこういう小説の方が文庫化しやすかったのかもしれません。
カバーは池松均氏、宇宙画や未来画が得意な人みたいです。


妖星伝(一)鬼道の巻
妖星伝(一)鬼道の巻
52年7月15日 講談社文庫

さて妖星伝ですよ。
これは全7巻で、1巻〜6巻が昭和50〜55年(1980)、最終7巻が15年飛んで平成7年(1995)という、凄い間隔のある全7巻なんですけど、私は7巻買った時に当然それまでの話を忘れていて、どうせなら頭から一気に読み直そう、と思ったまま、いまだに読めずにおります。
カバーは横尾忠則氏、このシリーズ装丁はすばらしいですね。


どぶどろ
どぶどろ
55年10月25日 新潮文庫

新潮文庫には昭和55年(1980)まで入らなかったんですね。
これは時代ミステリー、凝った作りの連作短編+長編で、やっぱりSFじゃない。
でも主人公は「およね平吉〜」の平吉なんですけどね。
カバーは沼野正子さん、絵本でおなじみでしょうか、この装画は版画のようですが。


60年代の寡作を取り戻すように70年代以降は多作。
伝奇SFの一方で人情小説も、しかしそれらは明確に別けられていたわけではなく、SFの中にも常に人情要素は融合していた、そんな作風だったように思えます。

SF作家初の直木賞受賞者ですが、受賞作はSFではない「雨やどり」という小説でした。
半村さんに限らず、いわゆるSF小説の直木賞受賞作はいまだに出ていないそうです。


関連記事:
70年代日本SF(小松左京の巻)
70年代日本SF(星新一の巻)
70年代日本SF(筒井康隆の巻)
70年代日本SF(光瀬龍の巻)
70年代日本SF(眉村卓の巻)
70年代日本SF(かんべむさしの巻)
70年代日本SF(広瀬正の巻)
70年代日本SF(平井和正の巻)
 

2012年06月15日

70年代日本SF(5)

さて、70年代日本SFの文庫本を掘り返してカバーイラストを見る。
今回は「眉村 卓」の巻です。

なぜ眉村卓かというと、意外にたくさん読んでいた、ということです。
二十冊ほど文庫がありました。

そんな中から、昭和48年(1973)に出た三冊。


C席の客

「C席の客」角川文庫 1973年10月20日


幻影の構成

「幻影の構成」ハヤカワJA文庫 1973年3月15日


EXPO'87

「EXPO'87」ハヤカワJA文庫 1973年6月15日

日付はいずれも文庫初版出版時


最初に読んだのは「C席の客」
ショートショートですね。
ひとつひとつが短くてとても読みやすい。
星新一がファンタジックなショートショートだとすれば、こちらはリアル社会の中での奇妙な味、という感じですかね。

ハヤカワの二冊は長編、ともに近未来社会を描いたものです。
例によってここでは内容の批評はしませんよ。
というか忘れてしまってますから。
でも面白かったはず、なにしろこのあと17冊も読んでいるわけですから。

ねらわれた学園

眉村氏といえば一般的には映画化された「ねらわれた学園」とか「謎の転校生」などのジュブナイル作品が知られていますが、私はそのへんは読んでいないみたいです、おそらく「ジュブナイルなんて」とか言って敬遠していたのかもしれません、本人がジュブナイルだった癖にね。

カバー装画は三冊とも木村光佑(きむらこうすけ)という人です。

当時革新的な技法と作風で注目された版画作家ですね。

写真製版などを用いた表現はそれまでの版画の捉え方を変えたのかという議論も起こしたそうですよ。
イメージを重ねあわせる手法はまさに「幻影の構成」
作家としてのデビューは1968年ですから、ちょうどこれらの小説が書かれたのと同時期ですね。
60年代後半のちょっとしたカオスな感じ。
経済の成長と、それまでの社会構造の変革。
そのようなものがこの二人の作家に共通して見られるようにも思えますよ。


私があまり小説を読まなくなって、久しぶりに眉村氏の名を聞いたのは、昨年公開された映画「僕と妻の1778の物語」が話題になったときでしょうか。
癌宣告を受けた奥さんのために毎日一編ずつ小説を書き続けたのだそうです。

そういえば小松左京氏も戦後貧しくて娯楽の無い奥さんを楽しませるために小説「日本アパッチ族」を書いたというエピソードがあります。
SF作家って愛妻家なんですね。


僕と妻の1778話 (集英社文庫)
僕と妻の1778話 (集英社文庫)



関連記事:
70年代日本SF(小松左京の巻)
70年代日本SF(星新一の巻)
70年代日本SF(筒井康隆の巻)
70年代日本SF(光瀬龍の巻)
70年代日本SF(半村良の巻)
70年代日本SF(かんべむさしの巻)
70年代日本SF(広瀬正の巻)
70年代日本SF(平井和正の巻)
 

2012年05月01日

四天王寺古書市 2012 春

四天王寺古書市 2012 春

時折突風な午後でした。

本を読む時間も最近はあまり無いので、探すのもいい加減になります。

面白そうな本はあるんですけど買えない。


3日までやっています。
天気が不安。
 

2012年04月12日

今年の桜 2012

今年もなんとか桜を見ることが出来ました。

これは大阪市東住吉区、今川にかかるその名も撫子(なでしこ)橋から。

今年の桜 2012-1

いつもの事ですが、カメラが非力ですね。
なんだか昭和30年代の学習図鑑みたいな色合いですけど、今日の写真ですよ。


今年の桜 2012-2

こちらは平野白鷺公園。
場所は平野区ではなく、東住吉区。
昨日の雨で花びらが絨毯のように。


特に桜を見にいったわけではないのですが、東住吉方面に所用で向う際、通りすがりに撮ってみました。
 

2012年04月03日

背景と音楽とご挨拶 -Flash-

さて、Flash動画「歩く人」
第三回は、前回ヒザを曲げた動画に、移動する背景を付けまして、さらにBGMも入れてみました。
そして、年度始めの更新でもありますので、ご挨拶も入れてみました。
これはテキスト読み上げソフトというものを使いましたが、何を言ってるかわからないかもしれませんので文字も入れておきました。


Walkman3

それから、Flashが見れない環境のためにMP4版も用意しましたよ。
iPhone iPad用ということですけど、まあそこまでして見てもらう程の物でもないんですけどね。
これは逆にPC上ではSafari、Chrome以外では見れないと思います。

>MP4で見る。


ネット上の動画扱いは色々とヤヤコシイですね。
最新の状況も把握していないし、検証も出来ないので、私の所などはまあいいかげんにやっているので、見れない人はごめんなさいね。

どうせたいしたモノじゃないし。


というわけで、今年度も皆さんは大活躍してくださいませ。
私ですか、私はまあこのままで。絵文字02
 

2012年03月29日

70年代日本SF(4)

さて、70年代日本SFの文庫本を掘り返してカバーイラストを見る。
今回は「光瀬 龍」の巻です。

なぜ光瀬龍かというと、特に理由はないのですが、強いて言えば、とてもSFらしいSF、という事になるでしょうか。

ハヤカワ文庫JAシリーズにおいても、小松左京、星新一に次いで3冊目に「たそがれに還る」が刊行されています。

うちにあった一番古いのは、JAシリーズ6冊目に出たこの本でした。

百億の昼と千億の夜
「百億の昼と千億の夜」
ハヤカワ文庫JA 1973年4月15日(日付は初版発行日)400円(価格は出版当時)

著者の代表作とも言える長編ですが、例によって内容は忘れています。
小説の話ではなく装丁の話という事で。

カバーイラストは金森達(かなもり とおる)氏。


カナン5100年
「カナン5100年」
 ハヤカワ文庫JA 1974年4月10日 320円
カバー 金森達

東キャナル市もの、光瀬版宇宙年代記、ハード、好きな人にはたまらない。
ということですが、実は私はそんなにハード派ではなかったのでした。

金森達氏は60〜70年代を代表するSFイラストの巨匠ですね。
上の2冊は、絵具を盛り上げるように乗せて、無作為な形状を作る、という抽象的な技法で、内容である宇宙の辺境の未知なるもの、あるいは長大な歴史の深遠なる流れ、的なイメージを表現、みたいな感じでしょうか。

本来の金森氏は、実に60年代的な、解りやすくてカッコイイSFイラストを描いていた人です。


喪われた都市の記録
「喪われた都市の記録」
ハヤカワ文庫JA 1976年2月22日 580円

ね、カッコイイ。
これは金森氏の画集の表紙にも使われている、氏の代表作と言えるのかもしれません。
「喪われた都市の記録」としては、初出版のハードカバーから使われているイラストです。

570ページある分厚い文庫。
内容は、やっぱり全然覚えていませんが、目次を見ていると物凄く面白そうです。

ところで、この本は570ページで580円。
「カナン5100年」は310ページで320円。
「百億の昼と千億の夜」は400ページで400円です。
この時期のハヤカワ文庫は1ページ1円見当だったんでしょうかね。


さて光瀬龍氏にはこのような宇宙ハードSFの他に、時代時空SFとでもいうべきシリーズがありまして、私はどちらかというとそっちの方がお気に入りでした。

寛永無明剣
「寛永無明剣」
ハヤカワ文庫SF 1973年12月10日 320円
カバーイラスト 石井三春

時空間移動が可能になった未来、時空犯罪者から歴史を守るために活躍する時間管理局江戸時代支部、みたいな感じの話だったと思うんですけど。

私はSF小説も好き、時代小説も好き、という小説読みだったので、一冊で二度美味しいというシリーズだったわけです。

石井三春という人は、これも60〜70年代にSFやジュブナイル作品の挿絵などを多く手掛けた人、だと思うのですが、あまり記録が無いのですね。

現代的な絵ももちろん描いていたようですが、このシリーズでは特に日本画的技法と確かな時代ディテールにより、ただでさえカッチリとした光瀬龍の江戸時代描写にイメージ面からも大いに貢献している、というわけです。
こういう小説は時代描写にリアリティーがあった方が一方のSF部分とのコントラストといいますか、ギャップの楽しみといいますか、そういう面白さが生きてくるなあと思いましたね。

寛永無明剣 挿絵
寛永無明剣 挿絵

歌麿さま参る 挿絵
歌麿さま参る 挿絵

この小説シリーズとこの装丁挿画の組み合わせは、誰が考えたのか知りませんが、実に絶妙、個人的には大好きですね。
今回はこれが言いたかったのか。


多聞寺討伐
「多聞寺討伐」
ハヤカワ文庫JA 1974年6月10日 250円

復讐の道標
「復讐の道標」
ハヤカワ文庫JA 1975年4月10日 220円

歌麿(うた)さま参る
「歌麿(うた)さま参る」
ハヤカワ文庫JA 1976年5月20日 290円

征東都督府
「征東都督府」
ハヤカワ文庫JA 1977年11月10日 380円
これは挿絵なし


現在書店で買える光瀬龍の文庫本は思ったより少ないようですね。
古書にてこのシリーズを探す折は、ぜひ石井挿画のあるものをオススメします。


関連記事:
70年代日本SF(小松左京の巻)
70年代日本SF(星新一の巻)
70年代日本SF(筒井康隆の巻)
70年代日本SF(眉村卓の巻)
70年代日本SF(半村良の巻)
70年代日本SF(かんべむさしの巻)
70年代日本SF(広瀬正の巻)
70年代日本SF(平井和正の巻)
 

2012年03月14日

膝を曲げてみる -Flash-

さて、Flashアニメーション「歩く人」
今回は膝を曲げてみるの巻。

歩いている足のヒザを曲げて自然な感じにしてみました。

ボタンをやめて、画面上の人物の前をクリックして動く、後ろをクリックで止まる、という仕組みにもしてみましたよ。


Walkman2

うぅむ、どうかな。
 

2012年01月25日

70年代日本SF(3)

さて、70年代日本SFの文庫本を掘り返してカバーイラストを見る。
今回は「筒井康隆」の巻です。

最初に読んだのはこれですね。
著者初の文庫版

幻想の未来

「幻想の未来」
角川文庫 1971年8月10日(日付は初版発行日) 160円
カバーは杉村篤氏

絵自体は15世紀の画家ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの「十字架降架」の背景に地球を合わせたもの。
杉村氏はこの後も角川文庫の筒井作品のカバーを10作ほど手掛けますが、そこでは自身で絵を描いています。
おもしろい絵がいっぱいです。


霊長類  南へ

「霊長類 南へ」
講談社(ハードカバー)1969年 10月15日 690円
カバーは柳生弦一郎

読書は文庫派、という私ですが、ハードカバーを買った事もあります。
これがその一冊、この長編は5年後の1974年8月に講談社文庫の筒井作品第一弾になります。
実はこの本は第四刷で、買ったときはすでに文庫が出ていたと思います。
カバーを描いた柳生弦一郎氏は絵本作家でおなじみですが、この頃は少しタッチが違いますね。


家族八景

「家族八景」
新潮社 1972年 2月20日 550円
カバー 真鍋博

これもハードカバー。
ハードカバーで買ったのはほとんどこの時期の筒井作品です。
きっと、あんまり面白かったので文庫化が待てなかったのかもしれません。
ごらんの通り値段も安かった。
「家族八景」が新潮文庫の第一作になるのは1975年2月です。
文庫のカバーも真鍋さんでした。


馬の首風雲録

「馬の首風雲録」
ハヤカワ文庫 昭和1972年 3月20日 280円
カバー 新井苑子

新井さんはガッシュの使い手、女性らしい優しく柔らかいタッチが特徴ですが、この作品は戦争もの、戦争と兵隊と新井苑子のミスマッチが逆マッチ、という事です。
線画の挿絵が何点も入っていまして、もはやこの小説の人物や風景は新井さんのイメージ以外考えられないですね。


東海道戦争

「東海道戦争」
ハヤカワ文庫JA 昭和1973年8月10日 240円
カバー 真鍋博

ハヤカワJAシリーズの第一作は「東海道戦争」
これまた面白い短編集でしたね。
こういうのを読んで、どんどんハマっていったわけです。
ここでも真鍋氏のカバーデザインは秀逸。



というわけで、いわゆる御三家の三人目。
関西に住んでいると、毎週テレビで筒井先生を見ることが出来ます。
ああ、元気なのだな、と思い、ホッとしたりするわけです。

関連記事:
70年代日本SF(小松左京の巻)
70年代日本SF(星新一の巻)
70年代日本SF(光瀬龍の巻)
70年代日本SF(眉村卓の巻)
70年代日本SF(半村良の巻)
70年代日本SF(かんべむさしの巻)
70年代日本SF(広瀬正の巻)
70年代日本SF(平井和正の巻)
 

2012年01月01日

賀正 2012

明けました。

 

年賀状2012

 

 

今年もよろしくお願いします。