2011年10月30日

TINTINと正ちゃん

スティーヴン・スピルバーグ監督が新しい映画を完成させたそうです。

「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」

「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」という作品で、エルジェ作「タンタンの冒険旅行(Les Aventures de Tintin)」というベルギーの漫画が原作です。

予告編を見ると、実写みたいなアニメみたいなCGな3Dな、まあアニメなんですけど、最先端映像という事でしょう。

Les Aventures de Tintin

主人公タンタンは、愛犬スノーウィとともに冒険の旅をする少年記者。
今では80ヶ国以上で翻訳されている世界中の人気者ですね。


しかし、我が国には、タンタンより以前に、やはり大人気者の少年冒険家がいた事を忘れてはいけません。

それが「正ちゃん」です。

「正ちゃんの冒険」

「正ちゃんの冒険」が発表されたのは、1923年(大正12)1月 アサヒグラフ誌上でした。
「タンタンの冒険旅行」は1929年(昭和4)1月、ベルギーの20世紀新聞付録、20世紀こども新聞紙上ですから、正ちゃんの方が丸6年も先輩という事になります。

「正ちゃんの冒険」火事 クリックで拡大
家が焼けても落ちついてる正ちゃん

作・織田小星、画・東風人
こちらでも少し読めます。
ソク読み「小学館クリエイティブ単行本 完全復刻版 正チャンの冒険」

基本四コマ、日本で初めて吹き出しを使った漫画だそうです。

いっしょに旅をするのは愛犬ではなく「リス」
その名も「リス」って。

「オイリスコレカラオホサカヘユクノダヨ」
とか、なんか偉そうなわりには、切符や弁当を二人分買ってくれる正ちゃんなんですけど。
作者の織田小星という人は相馬中村藩最後の殿様相馬誠胤の長男で子爵といいますから、正ちゃんの鷹揚とした感じはそのあたりから来ているのかもしれません。

絵を描いた東風人は樺島勝一(かばしまかついち)の別名。
樺島先生は本来リアリズムの人で、船舶や航空機などのメカニカルな素材を細密に描写した挿絵は、少年倶楽部などで大変評判を得ました。

樺島勝一展 2008
2008年の展覧会

「敵中横断三百里」
「敵中横断三百里」山中峯太郎作 昭和5年

JOAK
東京放送局開局ポスター 大正14年
これも樺島氏の作品、写真じゃないよペン画だよ。


映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』の公開は12月1日から。
その頃には原作「タンタンの冒険旅行」の話題がいろんな所に上ることでしょう。
そんな時には、冒険少年の先駆者、正ちゃん帽でおなじみの「正ちゃん」の事も思い出してくださいね。

正ちゃん

リスの名は「リス」
ボクノコトモネ



正チャンの冒険
正チャンの冒険

樺島勝一―昭和のスーパー・リアリズム画集 (小学館クリエイティブビジュアルブック)
樺島勝一―昭和のスーパー・リアリズム画集 (小学館クリエイティブビジュアルブック)

posted by nakaco at 11:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 昭和前半期
この記事へのコメント
おはようございます、またおじゃまします。
タンタンの冒険、絵が可愛いですけど
日本の漫画とはまた違うコマ割りとか吹き出しで
デフォルメの仕方とかチョイ違うんですね。
米国の新聞コミックのブロンディも好きです。
正チャン帽とか、当時は流行ったらしいですけど
絵の方の人が樺島さんとは知りませんでした。
ここに来ると勉強になりますェ(__)ェ
Posted by muzik at 2011年10月31日 06:56
>muzikさん
こんにちは
樺島勝一氏の写実技巧は、まさに超絶の域に達しているわけですが、
それをふまえて見ると、童画としての「正ちゃん」も何か趣が違って見えて来ますね。
Posted by NAKACO at 2011年10月31日 13:23
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