2011年04月21日

新案家庭衣装あはせ

今回も、三越モノで。
今月は明治大正月間みたいになっておりますが。

遡って明治43年、「みつこしタイムス」という冊子の付録を見てみます。
「新案家庭衣装あわせ」
カードゲームですね。

家庭衣装あわせ上
家庭衣装あわせ下
でっかいので二分割 クリックで拡大

どのように遊ぶのかといいますと。

【使用法】
此の新案家庭衣装あわせの使用法は、先づ大体に於いて家族あわせと同じような方法でお試しになればよろしいので、先づ此の付録を札の数だけ鋏にて切り、さて上列の「旦那様」「奥様」「男御隠居」「女御隠居」「御令嬢」「御令息」「坊っちゃま」「お女中」を親札として、よく切り交ぜ、始めに仲間に分けて置き、更に下の衣装、持物四十枚を子札としてよく切りて仲間の数だけ配り、親札の「旦那様」を持って居らるゝ方から順にその持物を頂戴に出かけるのですが、若し先の人の手になかった場合には今度はその人に親が移るので、自分の持って居るだけの親札の衣装や持物が揃えば先ず勝った人の部へ入るのです、若し又自分の持っている親札の衣装、持物が揃わないで居るうちに、先の人が上がった場合には、直ぐに親札を貰いに来ると云うのが、この衣装あわせの新案なところです、只親札は自分の上がらぬうちは貰いに行く事の出来ない規則で、何でも自分の持って居る親札の衣装持物を揃えてしまって、それから人の親札を貰いに出掛け、そして一組でも二組でも多く揃えた人が一番上がりになるので、人数は三人以上で御遊びになれば面白うございます。

はい、なんかちょっとよくわかりませんけど、
そんな感じで遊ぶらしいです。

みつこしタイムスは、明治37年の「三越デパートメント宣言」当初から大正三年まで配布されていたPR誌だそうです。

みつこしタイムス
みつこしタイムス(明治43年)


このゲームに現された家族像が、そのまま当時の三越が顧客対象としていた、都市部の中間富裕層、という事になるのでしょうか。
そして、現代人はこのような暮らしをしています、このような衣類道具を持ちましょう、これらはすべて三越であつかっています、というゲームの形を借りた商品カタログでもあるわけです。

「みつこしタイムス」は地方に対する通販用カタログの役割もあったようなので、まさに商品とイメージの両方を全国に伝えていた、ということかもしれません。

夢二や非水を使った華やかなビジュアル展開もそうですが、
三越というところは、実に上手に宣伝広告を使い、効果を上げ、ブランド力を付けて来ました。
そして現在に於いても、それは揺るぎない企業イメージとして確立されておる。
というわけですね。
誰なんでしょうか私は、偉そうですけど。

三越呉服店 1914
三越ポスター 杉浦非水(大正3年)


雑誌「三越」夢二01

雑誌「三越」竹久夢二(大正14年)


そんな私は、記憶する限り三越で物を買ったこと無いんですけどね、
庶民なもので。
 
posted by nakaco at 13:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 昭和前半期
この記事へのコメント
こんばんは

私も子供のころ(明治時代じゃないですよ)、家族合わせで遊んだ記憶があります。

それにしてもこの「新案家庭衣装あわせ」いかにも明治の風俗って感じで面白いですね。
女御隠居の煙草入とか、男御隠居と御主人の外套がインバネスだったりとか、そうそう坊ちゃんのエプロンと帽子も昔の子供の必須アイテムですね。



Posted by アネモネ at 2011年04月23日 00:59
>アネモネさん
こんにちは
明治といえば文明開化かと思ってしまいますが、45年もありますと、末期の頃はずいぶんと近代というか現代的なんですね
もっとも私の現代的という感覚は今やかなりズレているわけですが

あ、それから実は私は家族合わせというゲームを全くした事がありません
だからこの衣装あわせの遊び方も、今ひとつよく判らないのですね
Posted by NAKACO at 2011年04月23日 10:44
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/44482199

この記事へのトラックバック