2010年10月18日

同潤会アパート

同潤会アパートといえば、昭和初期にはさほど興味の無い人にも、その名はよく知られているのではないでしょうか
なんとなく都会的な、そしてレトロな、オシャレで文化な、そんなイメージを若い人達や、そう若くない人達にも、持たれているのかもしれません

私どものような昭和前半期趣味のものにとっては、時代をあらわす代表選手のようなもので、がんばってもらいたい
もうほとんど残ってないですけども
記憶の中で、がんばってもらいたい

同潤会アパート01
同潤会青山アパート

ざっくりと説明しますと
同潤会というのは、関東大震災で倒壊してしまった東京の住宅問題をなんとかしようと設立された半官半民の財団法人
現在同潤会アパートと呼ばれているのは、その組織の事業の一部という事になります

当時としては近代的、新時代の住空間として人気を集め、入居は常に高い競争率の抽選だったそうです
家賃も工事費を採算の準拠とせず、付近の一般中流住宅の5分(%)安とする、という方針だったようで、お家賃も安けりゃ言うことないですね

さて、そんな同潤会アパートの中身はどんな感じだったのでしょう

下の俯瞰図は、実際に代官山アパートに住んでいた建築学者で京大教授でもあった西山夘三先生が描かれたもので、代官山アパート2Kタイプを上から見たものです、生活感たっぷり
西山先生が住んでいたのは、昭和15年頃ではないかと思います

クリックで拡大
同潤会アパート02

住宅の間取り図を眺めるのが好き。という人が多いようですが
こういうのを見ていると、なんだかここで暮らしているような気分になってきますね
よく見ると赤ちゃんが寝ていたりします
西山先生は結婚してから子供が2人生まれるまでここで暮らしたのだそうですよ

アサヒグラフにも「縦に切った生活層〜アパートはかく呼吸する〜」として当時のアパート生活が記事になっています
その中の一枚

同潤会アパート03
アサヒグラフ 昭和7年6月1日

窓から出している黒い布は実は赤い布、下を通っているのはお豆腐屋さん
窓を見上げて赤い旗が出ていたら豆腐入用の合図で、見当の部屋まで階段を上って行ったのだそうです(代官山アパート)


同潤会が行った調査によりますと、入居者の6割以上が官公署職員、教員、銀行会社員などの勤め人だったそうで、1人暮らし28.19%、2人27.71%、3人19.05%となっています
前回紹介した影山光洋氏も新聞社社員、今でいうマスコミ関係、青山の高層住宅で、当時と今では青山の環境も違うでしょうが、でもなんだかちょっとカッコイイですねえ


戦後、昭和28年公開の、小津安二郎監督「東京物語」の中で、戦死した次男の嫁(原節子)が一人暮らしをしているのが同潤会アパートなのだそうです

東京物語より01

東京物語より02

東京物語より03

外観は青山、室内は横浜平沼を模したという話です
こちらはワンルームのようですね


16カ所に建てられた同潤会アパートのうち、現在残っているは、台東区の上野下アパートだけで、ここも立て替え検討中だそうです
そりゃあ築80年ですもの


青山アパートは同地に立て替えられた表参道ヒルズの一角で、安藤忠雄氏設計により外観が再現されています
いわば建物の復刻版

それだけ人気があったという事ですね

同潤館
表参道ヒルズ 同潤館

関連記事
>同潤会アパート(その2)
 
posted by nakaco at 10:39| Comment(4) | TrackBack(1) | 昭和前半期
この記事へのコメント
NAKACOさん

あらら、入居は高い競争率の抽選なんですね。
家賃も十五〜十七円とお手頃なので、
時間旅行であちらへ行ったらぜひ入居したいと
思っていたんですが、難しそうですねぇ。

では、この西山卯三先生の間取り図でも見て
住んだつもりになりますか。
私も間取り図を見るの好きですよ。
住んだ気になれますよね(なれないか)

それから、一番上の写真の青山アパートと
一番下の写真の表参道ヒルズ同潤館ですが
見比べるとよく再現されてはいますが、
やっぱり青山アパートに行ってみたいですねぇ。
Posted by アネモネ at 2010年10月19日 21:28
>アネモネさん
こんばんわ

同潤会アパート最後の一棟、上野下アパートはまだ現役だそうですよ
いかがですか、台東区
浅草にも動物園にも近いですよ
と思って調べてみたら、現在も入居希望者は多いらしいのですが、新規入居はされていないとか

やっぱり残念でした
Posted by NAKACO at 2010年10月19日 22:54
戦後に建てられた団地やアパートは戦前に建てられたのと比べると、デザインが味気ないですね。戦前のアパートのデザインはモダンですね。
Posted by なにわののび太 at 2010年10月21日 13:31
>なにわののび太さん
こんにちは

住宅の姿にも流行があるのでしょうね
その時代の人が住みやすい、という事も考えられているのかもしれません
何十年経っても人気があるという事は、やはり良いデザインだったという事でしょうね
Posted by NAKACO at 2010年10月21日 14:41
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