2010年04月16日

河目悌二の挿画

「苦心の学友」という好きな小説がありまして
これは佐々木邦が昭和2年から4年まで、雑誌「少年倶楽部」に連載していたいわゆる少年小説です
といっても大人が読んでも大変面白いです

お話の内容は、元大名の伯爵家の若様の所に元家来の家から御学友として同い年(中学一年生)の主人公が住み込みにあがる、というものです

作者の佐々木邦はユーモア小説の始祖みたいな人ですし、少年向け小説ですから、とても明るく楽しい小説です、それでいて主人公内藤正三君の頑張り、本当の忠節とは、友情とは、そして時代は変わって平等な世の中になっているのだという事も、最後まで読めばちゃんと伝わって来る、たいへん良く出来た小説で、当時の読者の人気もすこぶる高かったのだそうです

さて、その「苦心の学友」の挿し絵を描いたのが河目悌二

苦心の学友02

苦心の学友03

苦心の学友04

河目悌二は、大正から昭和、戦中戦後、昭和33年に亡くなるまで、一貫して童画を描き続けた人です
勿論、きれいな彩色画もたくさん有りますが、私はこの線画の挿絵が大好きです
とても簡単に描いた線のようですが、人の表情、その気持ちまでちゃんと伝えています
こういう事は、きちんと人物が描ける手を持っていないと出来ゃしません

苦心の学友05

苦心の学友06

苦心の学友07

アア省略トハカウイフ事デアルカ
何かと描き込んでしまう癖のある私などには羨望の画風でございます

苦心の学友08
苦心の学友09

「苦心の学友」は現在書店で買うのは難しいと思います
昭和49年ほるぷ出版からの復刻版
昭和50年講談社少年倶楽部文庫
講談社からの佐々木邦全集第九巻
などです

佐々木邦が青空文庫に入るにはまだ数年必要なようで
読めるようになったとしても、挿絵のない「苦心の学友」なんて、などと思っては佐々木先生に悪いですけど

苦心の学友01
苦心の学友 <名著複刻・日本児童文学館 第2集22>ほるぷ出版

古書になりますが、安ければ300〜400円ぐらいからありますよ


去年、生誕120年記念の展覧会が出生地の愛知県刈谷市であったそうです

河目悌二展

入場無料だったとか
これも行きたかった展覧会でした
posted by nakaco at 11:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 昭和前半期
この記事へのコメント
私も復刻版を愛読しています。
登場人物で一番印象にのこっているのは、花岡伯爵家の指導主事である安齋先生です。
こんな存在感のある先生が今の世にいたらなぁとつくづくおもいます。
Posted by 関 博之 at 2011年10月02日 15:59
>関 博之さん
こんばんわ
「苦心の学友」面白いですよね。
たくさんの人に読んでもらいたい小説です。
私としてはぜひ河目悌二の挿し絵付きで。
Posted by NAKACO at 2011年10月02日 19:46
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